前回お伝えの通り、10月28日に有楽町で開催された「東京味わいフェスタ2022」にて、東京都のプラスチック削減(使い捨て容器削減)の取組みを視察してきました。
東京都は、2024年には都主催のイベントにおける使い捨てプラスチックカップの原則使用禁止を目指す、としており、今回のイベントもできるだけリユースカップが使われていました。
こうした取り組みでは、やはりどうやって回収を促進するかが問題になります。前回の写真にもある通り、カップにはリユースカップである旨が記載されていますが、誰もがカップをしげしげと眺めるわけではありません。回収箱の視認性や販売する店員さんの声がけなど、様々な方法で”要回収=禁廃棄”を周知しないといけません。
よくある取り組みにデポジット制があります。カップ代を最初に預かり、カップを返すとそのお金が戻ってくる仕組みです。最近日本でも盛んに開催されているオクトーバーフェストでは、ビールが主役であり、座って飲食するのが目的ですので、立派なガラスのジョッキを使用してデポジットに1,000円もらうケースもあります。
記念にジョッキを持ち帰りたいという人が出てくることをはじめから想定した設計で、使い捨て容器を減らし、お客さんも嬉しく、経済性も担保できます。しかし、ガラスのジョッキの生産、運搬にかかる環境負荷を考えると、トータルでは考慮すべき面があるでしょう。
出典:https://www.fashion-press.net/news/12142
一方、例えば縁日など、座って飲食するのが目的でないイベントの場合、ガラスのジョッキは不便で危険です。また、いくらあとで戻ってくるとはいえ、多額のデポジット料金を設定してビール1杯が1,000円を超えてしまうのはやはり抵抗があるでしょう。
今回のイベントはデポジットなしでした。なかなか素敵なデザインのカップですが、例え100円でもデポジットを払うことで、「お金を払ったのだから」という心理で持ち帰ってしまう方が出てくるという現象も起こるそうです。
ことほど左様になかなか難しい面もあるイベントでのリユースカップ使用ですが、まずはあちこちで採用してそれを普通にすることです。目先の経済性にとらわれず意識啓発を続けていけば、必ずリユースが当たり前の日がやってくるでしょう。
次回は関連して「どんなスポーツイベントがリユースカップ使用に適しているか」についてお話しします。
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