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銀座環境会議

普段やっていることがSDGsなんだ?~SDGsに関する誤解②~

SDGsはSusitainable Development Goalsの頭文字で、持続可能な開発目標、と訳されます。そしてそのGoals=目標は17と多岐に渡り、社会生活全般に及びます。私たちの普段の行動で、SDGsに全く関りがないことの方が少ないと言っていいかもしれません。


そのせいか、日常の生活でSDGsに関係する事柄を取り上げ、「SDGsは難しいものではないんですよ」「普段の生活で何気なくやっていることがSDGs達成に貢献しているのですよ」と強調するアプローチをしばしば目にします。英単語の頭文字ということもあり、とっつきにくい面のあるSDGsですので、確かにそれも一つのやり方と思います。


先日も、SDGsを題材にしたテレビで若い女性タレントが「食べきれる分だけ買うようにして、食品ロスを出さないようしている」と発言し、他のタレントたちが「若いのにえらい」という主旨の発言をしていました。今の若い人の環境問題等に関する意識レベルは、彼女を褒めた中年芸人の世代より高いと思いますが、それはさておき、もう一歩踏み込んで考えてみたいのは、SDGsで最も大切なことは「変革(Transformation)」であるということです。


出典:TBSテレビ  https://www.tbs.co.jp/SDGs_week/


食品ロスを出さないよう気をつけるのはSDGs達成に関わることで、今後も続けてほしいと思います。ただし、私たちがこれまでしていることの中にもSDGs達成に貢献していることが少なからずある、ということに安心してしまってはSDGsは達成できません。国連が四苦八苦して全会一致で17の目標を採択し、各国政府やメディアを巻き込んで騒ぎ立てているのは、2030年までにこれらを達成しないと、私たちの生活(地球ではなく)が成り立たなくなる、そして達成には変革が必要である、という強い危機感があるからです。


”日常の中のSDGs”的なアプローチの中でよく取り上げられマイボトルを例に挙げます。もし今PETボトル入り飲料をよく飲み、分別をしていない人は、少なくとも分別をしないといけません。ちゃんと分別をしているという人は、マイボトルを持ってPETボトルの使用を減らしましょう。マイボトルを持っているが時々持参するのを忘れるという人は、必ず持参するようしましょう。

出典:Refill Japan https://www.refill-japan.org/news/post-800/


では、外出時は必ずマイボトルを持参するという人は、この件についてはもうなにもしなくていいのでしょうか。それは違います。そういう人は、他の人にも持つよう勧めるか、マイボトルを推進するような施策を行政や企業に提案しましょう。そうすることで、SDGs達成に貢献することができます。ちょっと不公平な気もしますが、これまでいつも持参している人がこれからも変わらず持参しても、「変革」は起きていないのです。さらには、マイボトル以外の、まだ取り組んでいないことに取り組めば、さらなる「変革」を起こせます。


そういう意味では、上述のタレントさんは若い女性にとても影響力があるということなので、メディアで人々に呼び掛けることで、(引き続き食品ロス削減に留意すること以上に)SDGs達成に貢献できるということは言えます。メディアには、SDGsに親しみを持ってもらうに留まらず、人々や政府、企業に変革を促す切迫性あるアプローチが求められます。


銀座環境会議では、SDGsの本質を体感する「2030SDGsゲーム」を行っています。詳細は活動紹介ページからご覧ください。






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