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  • 銀座環境会議

【これからのRの話⑦】もったいない精神、もっていない?

更新日:2020年6月3日

前回は、日本の3R推進は最終処分場の不足を回避するための廃棄物行政施策であり、リサイクルばかり注目され、3Rの本質が追及されなかったという指摘を紹介しました。



今回は、日本人の消費に対する態度を考えてみたいと思います。日本には”もったいない精神”があるとされます。しかし、どれだけ発揮されているでしょうか。日本人の新品信仰、過剰包装に対する戸惑いは少なからぬ在日外国人の方々が発信しています。


木造であること、政策、不動産業界の体質…様々な要因があるとはいえ、家のように大きくて高額なものにも新品を求める傾向があります。モノを大事にしたくてもさせてもらえない環境もあります。「古い型なので部品がありませんね」「修理より買った方が安いですよ」という言葉を失望とともに聞いたことのある人は多いでしょう。


2004年にノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイさんが、3Rの本質を包括する言葉としてこの「もったいない」を世界に広めようとしたとき、実は日本ではその精神が廃れかけていることに気がついていた人々は、面映ゆく感じたのではないでしょうか。


日本では、「外国」というと長らくアメリカを引き合いに出してきました。アメリカは大量生産大量消費文化の本家本元であり、そのスケールはとてつもないものがあります。一方同じ先進国内でも、欧州では古いモノを修理しながら延々と使うことが当たり前に行われています。日本では古本がカバーを磨いて紙を削ってできるだけ新品に近い状態で売られることに、感激する外国の方もいるでしょうが、呆れる人も少なくないようです。


新品信仰や過剰包装はリデュースやリユースに逆行します。一方でリサイクル作業を増やします。調子の悪くなったモノを修理せずに捨てて、買ってきた新品のモノの何重にも包装された袋や紙を丁寧に分別している生真面目な人々。これが現在の私たちの3Rの現状と言えるのではないでしょうか。


一方、最近個人間の売買アプリの浸透で中古品売買は活性化しています。若い人の間では少しずつ価値観が変わっていくのでしょうか。


参考:サンドラ・ヘフェリンさんブログ「ドイツ節約生活」


次回は、法律の観点からリサイクル>>リデュース&リユースとなっている背景についてお話します。



<過去の【これからのRの話】>

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