なんでも使い捨てにせずに、繰り返して使った方が環境にいいよね、というのは直感的に分かります。一方で、リユース食器は使い捨てのものに比べて原材料を沢山使っていますし、洗浄や滅菌といった環境負荷がかかります。実際リユース食器の使用にはどんなメリットがどれくらいあるのでしょう。
まず、ゴミは確実に削減されます。その他、製品の一生(原材料の調達から、生産、輸送、使用…他)にかかる環境負荷を分析する手法であるLCA分析によると、以下のようなことが言えるそうです。
紙コップとリユースカップの比較
ポリプロピレン製のリユースカップは耐熱温度が120℃、耐冷温度は-30℃で、50回程度再使用する耐久性があるしっかりしたものです。製造には紙コップよりも多くのエネルギーを消費するわけですが、繰り返しの使用で負荷は逓減していきます。
CO2排出量はエネルギー消費量と相関関係があり、同様に繰り返しの使用が重要になりますが、3回の使用で紙コップの負荷を下回ります。
紙製品は製造工程で水を多く使用します。リユースカップはそのたびに洗浄するわけですが、それを勘案しても3回の使用で紙コップの負荷を下回ります。
使い捨てvsリユースですので、もっとも想像がつきやすいと思います。もちろん”しっかりしたカップ”ですので捨てればそれだけの廃棄物量になりますが、5回の使用で紙コップの負荷を下回ります。
出典:リユース食器ネットワーク https://www.reuse-network.jp/what/
このように、繰り返し使用すればするほど環境負荷を削減できることがわかります。リユース食器にはイベント終了後に返却のための輸送や洗浄といった環境負荷がかかります。しかし、使い捨て紙コップも、ごみ箱に入れたあと回収があり、焼却があります。それらも考慮してなされた上記試算が、リユースカップの更なる普及の必要性を示しています。
そして、大事なのはとにかく繰り返し使うこと=紛失・破損を減らすことが肝要です。こういった場合の「50回程度使用する耐久性がある」というのは「50回で壊れる」ということでは全くありません。もっともっと使える可能性は十分にあります。破損は少し例外的として、紛失を減らす=回収率を高めることが最重要となります。
次回は回収率を高めるための取り組みをご紹介、ご説明します。
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